ホシノ天然酵母を使って、高加水のカンパーニュを焼きましょう。オートリーズ法と低温長時間発酵で、毎日食べても飽きのこないシンプルなカンパーニュは、なめらかな舌触りと粉の旨みを感じる定番のパンとしてご家庭で定着していただけると思います。
3月末は、室温で発酵できる絶好の季節です。ぜひこの機会に手仕込みで焼ける美味しい“カンパーニュ”をマスターしてください。お手伝いさせていただきます。
〈用意するもの〉
・国産小麦強力粉・国産全粒粉・国産ライ麦粉・塩・ホシノ天然酵母生種(生種の起こし方はこちらを参照ください)・水(浄水)
・ボール・ゴムベラ・スケール・生地を発酵させるタッパー・クープナイフ・発酵かご(なければボールで代用可)クッキングシート・板又は段ボール紙(約35×30cm位)
〈材料〉径18cm1個分
・国産強力粉 70% 300g
・国産全粒粉 15% 45g
・国産ライ麦粉 15% 45g
・水 75% 225g
・塩 2% 6g
・ホシノ天然酵母生種 3% 9g
(オートリーズ法)
最初からすべての材料をこね合わせるのではなく、粉と水だけ捏ねて数十分放置した後、酵母や粉などほかの材料を加えて再び捏ねる方法です。
この製法の利点は、
・粉粒の芯まで完全に吸収させられ、ミキシングの時間が短縮できること。
・グルテンの形成を妨げる性質を持つ酵母と塩が加わる前に捏ねることで、よりグルテンが出来やすくなるという事です。弾力と粘りに優れた伸展性の良い生地を作ることが出来、窯内でよく伸びます。
〈仕込み〉
①ボールに国産強力粉・全粒粉・ライ麦粉を入れ水を加え、ゴムベラで粉けがなくなるまでよく混ぜ、ひとまとめにする。
②生地を台の上に出して、ゆっくり約2分くらい捏ねる。
③表面が乾かないようにして、約30分置く。
(本捏ね)
④オートリーズ生地全量に酵母と塩を加えよく混ぜ合わせ、約5分くらい捏ねる。
⑤捏ね終わった生地をひとまとまりにして、表面が乾かないようにして生地を約30分休ませる。
⑥30分後、パンチします。生地を左右1/3ずつ折ります。
さらに生地を上下1/3ずつ折り、生地を休ませます。
⑦30分後、⑥と同じ作業を繰り返し、タッパーに入れて生地を発酵させます。(写真の容器は1,7L)
⑧室温(約20℃)で約15時間後、生地は約2倍に発酵していると思います。
※ご家庭・地域により温度に違いがあると思います。あくまで室温約20℃時の設定です。
(低温長時間発酵)
低温で長時間発酵することによって、たくさんの副産物が生み出した旨みを感じる美味しい生地になります。酵母の量も少しですみます。室温で発酵させる場合は、朝捏ねて∼夜焼く、夕方捏ねて朝焼くパターンがあると思いますが、温度変化の少ない夜の時間を利用する方が発酵が安定すると思います。寝ている間の時間も利用しましょう。
横から見ると↑
上から見ると↓
⑨生地の表面と台、※パヌトン に打ち粉を振ります。
※パヌトン(発酵かご)がない場合は、ボールに布巾をかけて代用しても可。
⑩タッパーの側面と生地の間にゴムベラを入れ生地をはがし、タッパーをひっくり返し、打ち粉をした台の上に生地を優しく上に落とします。
⑪生地の下に手を入れ、優しく生地を正方形に広げます。
⑫⑥のパンチ同様に、左右1/3ずつ・上下1/3ずつ折り、丸く形を整えます。
⑬とじ目を軽くつまみ、とじ目を上にしてパヌトンに入れます。
⑭表面が乾かないように布巾などをかけ、約60分最終発酵させます。
⑮発酵前と約60分後。
成型後↑
60分後↓
⑯パヌトンにクッキングシートをさらに板(段ボールやべニア板など)をかぶせ、パヌトンごとひっくり返し、生地を取り出す。
⑰クープナイフでクープを入れ、霧吹きで生地全体に霧を吹きかける。
⑱250℃予熱したオーブンに入れ10分、220℃で15~20分焼く。(オーブンによって実際の温度に違いが出ると思います。25~30分で焼き上がるように、温度の調整をお願いいたします。)
焼き立てより、生地温度が常温になるころの方が美味しくいただけると思います。そのまま食べても美味しいし、スライスしてトーストしたりサンドイッチにしたりと、色々と楽しんで下さい。
オートリーズ法と低温長時間発酵で焼き上げるカンパーニュは、季節のレッスンでお伝えできると思います。
レッスンは大阪北摂の豊中市(千里中央または南千里最寄り)の自宅キッチンで行っております。