ホシノ天然酵母で焼く『なべ焼きパン』の作り方~オーブン不要、ガスコンロで焼くからお焦げも美味しい~。

30年前にホシノ天然酵母のパン教室で教わった「なべ焼きパン」。華やかなパンのレシピが多い中、最近のパン教室レッスンメニューに加わる事もなくなってしまいましたが、時間がたった今でも変わらない絶品の美味しさです。

食べるたびに初心に戻り、パン作りを始めたころの純粋な気持ちを思い出させてくれる私のパン作りの原点です。

室温で20℃の低温長時間発酵を無理なくできる今の季節も、そろそろ気温が上がってきて終わりに近づいてきました。

今回は、前日の夕方の仕込みから翌日の焼成までタイムスケジュールも含め少し詳しくご紹介いたします。必ずご家庭でも焼けるようお手伝いさせていただきます。

余計なものは入れないシンプルな材料で焼き上げるパンは、工程も丁寧に行うことが大切です。ゆっくり1つ1つ進めていきましょう。

 

夕方16時から仕込み開始、夜中の低温長時間発酵~翌朝11時頃に焼き上がる設定です。(室温20℃前後の場合)

 

炎で焼く「なべ焼きパン」は自信を持ってお勧めできる“パンの元祖”です。時間の都合がつく時にぜひお試しいただきたいと思います。

 

○ 材料は、国産小麦・塩・ホシノ天然酵母と超シンプル。

○ 12時間の低温長時間発酵は、寝ている間に室温で。

○ 鍋は、ダッチオーブンでなくてテフロン加工のフライパンでOK! 

○ 焼成は電気オーブンではなくガスコンロでOK! 

 

 

 

<用意するもの>

・ボール

・ゴムベラ

・スケッパー

・めん棒

・スケール

・生地を発酵させるタッパー(2,5Lぐらいの大きさ)

・フライパン(径24cmのもの、テフロン加工のフライパンが作りやすいです。鉄のフライパンなどでもOKです。)

・鍋蓋(フライパンの直径より大きいもの)

空き缶(火どおりをよくするため、鍋の真ん中に空き缶を置きます。フライパンの高さより1cmぐらい高いものがベスト。

 

<材料>

・国産強力粉(春よ恋を使用) 100% 500g

・塩 1,5% 7,5g

・ホシノ天然酵母生種 4% 20g(生種の起こし方はこちらをご覧下さい。)

・冷水 56% 280g(捏ね時間が長いので生地温度が上がってしまいます。必ず仕込み水は氷を入れて0℃にして下さい。)  

水分量が少ないことに驚かれると思います。お砂糖も入りません。

 

<工程>

☆16:00~生地の仕込み

①水(冷水0℃)とホシノ天然酵母生種を合わせておく。

 

②ボールに国産強力粉と塩と①を入れゴムベラでよく混ぜる。

 

③粉けがなくなるまでよく混ぜ、ひとまとめにする。

 

☆16:15~生地をこねる

④ひとまとまりになったら、台の上に出してよくこねる。

約30分ゆっくりこねる。ここでしっかりこねることがポイント!

こねあげ温度は約25℃~

 

☆16:45~ベンチタイム

⑤ビニール袋に入れて冷蔵庫で約30分休ませます。

 

☆17:30~発酵開始

⑥約30分後、袋から生地を出した生地はかなり緩んでいます。グルテン膜もしっかりできています。もう一度丸めなおしをしてタッパーに入れ室温で発酵させます。

室温は約20℃前後。生地温度は約22℃ぐらいになっていると思います。

↓上から生地を軽く押さえて平らにしておきましょう。

↓横から見ると

 

☆生地の低温長時間発酵の終了~8:00~

⑦翌朝8時頃(室温や生地温度の違いにより、数時間前後の誤差が生じます)生地発酵の終了です。

12~15時間かかります。

生地は約2倍以上に発酵しています。

大きな気泡が出来てくるのも発酵終了の目安になります。

↓上から見ると

生地発酵の終了のタイミングは、パンの出来具合を左右するものです。ポイントをしっかり把握しておきましょう。

 

☆8:15~成型を始めます。

もしこの時間帯に成型を始めることが無理な場合は、冷蔵庫に入れて発酵を止めておくことも可能です。あまり長い時間はおすすめしませんが2~3時間なら大丈夫です。冷蔵庫に入れてもすぐには発酵は止まりませんので、少し早めに冷蔵庫に入れる気持ちで。

 

⑧成型を始める前に、お鍋の準備をします。空き缶にアルミホイルを巻き付けて、フライパンと蓋にもオイルを薄く塗ります。

空き缶の高さはフライパンより1cmほど高いものがおすすめです。

↓蓋の内側にもオイルを忘れずに…

 

⑧タッパーから生地を出して、8分割し丸めます。

 

⑨フライパンに生地を入れます対角線に入れていくとスムーズです。

 

⑩シャワーキャップなどを被せ、表面が乾かないようにして最終発酵します

34℃の所で約90分
(電気オーブンの発酵機能を利用してください)

 

 

☆9:45~焼成します。

↑最終発酵前

↓90分後、最終発酵終了

↓横から見ると

↓蓋をして、弱火で約30分焼きます。

 

 

⑪30分後、蓋とフライパンを持って生地を返し、

蓋を外して約10分焼きます。

 

この時生地の色が薄いようであれば、少し火加減を強くして焦げ色をつけます。

 

☆11:00~焼き上がりました。

昨日の夕方から約19時間かかってなべ焼きパンが焼き上がりました。

短時間で焼き上がるのもお手軽でいいのですが、長時間発酵させた生地からしか味わえない旨み・香りが感じられるパンです。

さらにガスで焼き上げることによって、電機オーブンで焼いたときには得られない、ご飯のお焦げのような素朴な香ばしさも感じることができます。

和食でも洋食でもお料理と一緒に食べて、なべ焼きパンを十分に楽しんで下さい。

必ずご家族の皆さんに喜んでいただけると思います。

 

 

 

 

 

 

 

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この記事を書いた人

天然酵母のパンに魅せられ、様々なパン教室に通い現在も通い続け、大阪北摂の豊中市(千里中央または南千里最寄り)の自宅キッチンでレッスンを初めて20年になります。シンプな基本のパンをはじめ、ハード系や高加水のパンなど、ご家庭でも必ず焼けるようにレッスンいたします。初心者の方やお一人様でもお気軽にご参加ください。天然酵母の犬のパン屋もネットショップで展開中。

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