『基本のレッスン全6回』のメニュー“ハード食パン”で、生地の発酵の温度や時間によって焼き上がったパンはどう違うのか、ちょっと実験してみました。
材料は、国産小麦と塩とホシノ天然酵母のみのシンプルなパンなので、結果もわかりやすいと思います。
①冷蔵庫の野菜室利用
食パン生地を捏ねて生地をタッパーに入れて野菜室(約9℃)で一晩→室温(約30℃)に出して8時間、2,5倍になるまで発酵。
②保冷温庫※利用
食パン生地をこねて生地をタッパーに入れ、保冷温庫※(20℃)で12時間、2,5倍になるまで発酵。
※保冷温庫とは家庭でも車でも、場所を選ばずに使用できる省エネミニ冷温庫です。容量は冷蔵庫に比べて小さく、25L程度のものが一般的です。
1年を通して一定の希望温度に設定できますが、種類によっては20℃設定が不可能な物もありますのでよくご確認ください。種起こしはもちろん、生地の発酵にも使います。1台あると温度管理に悩まされず楽しくパン作りが楽しめます。
㊧が野菜室で一晩、室温で8時間 生地発酵させた食パン
㊨が20℃で12時間 生地発酵させた食パン
やはり①より②の方が甘くて国産小麦の芳醇な自然でよい香りがします。断面を見てもわかるように①より②の方がきめが細かく仕上がっているため、食感もしっとりなめらかです。
低温で長時間発酵させると、酵母たちの活動は鈍くなり発酵はゆっくりになりますが、でんぷんからたくさんの糖がつくられるので、小麦の甘みが引き出されます。お砂糖を使わない食パンやバゲット・チャバタなど、シンプルなパンになればなるほど大きな違いとなって表れてきます。香りの成分もたくさんつくられるため、自然でよい香りがします。
お教室では保冷温庫がなければ野菜室の利用をおすすめしていますが、ご家庭でワンランク上のシンプルでリーンなパンを目指すのであれば、保冷温庫が1台あってもいいかなと思います。温度管理も簡単で、無理なくパンを焼き続けられます。年を通して保冷温庫を利用せずに発酵できる時期は限られていますしね。
〇『基本のレッスン全6回』では、ワンランク上のシンプルでリーンなパンを目指す方のための、基本のパン6種類をレッスンいたします。
お一人~お二人様までの少人数制で、ご家庭でも必ず焼けるようゆっくり丁寧にレッスンいたします。ペースも1週間に1回から月1回など、ご自分のペースに合わせて来ていただけます。
詳しくは、『基本のレッスン全6回』でご確認ください。