[用意するもの]
・ホシノ丹沢天然酵母 100g(ホシノ天然酵母さんからは色々な酵母を販売されていますが、丹沢酵母を使っています。ホシノ天然酵母について・丹沢酵母を使うワケについてはこちらも見てください。※50gの小袋入りのものを使う場合はお水も半量の75gにしてください。)
・水 150g(水道水を浄化したもの、1年中常温でOKです計り。お水の量はホシノ酵母の袋の裏に酵母1:水2と書いてありますが、1:1,5の方が味も香りもよいし酵母が長持ちします。)
・きれいに洗って熱湯消毒したガラス瓶。(ジャムの空き瓶のようなふたつきのものでもOKです。)
・熱湯消毒したスプーン。
※ホシノ酵母を利用して約30年、瓶の表面のふちに赤い輪っかのカビが生えたことが2回ありました。30年で2回のカビの発生率は多いか少ないかは?ですが、自家製酵母に比べればかなり衛生面には優れていると思います。しかし瓶もスプーンも必ず熱湯で消毒してくださいね。
・はかり
パンを焼く回数が少ない家庭用として、50gの小袋入りも販売されていますが酵母100g:水150g以上で種起こしする方が酵母が元気で長持ちすると思います。わかりやすく例えると、1合のお米を炊くよりは3合のお米を炊く方が美味しいご飯が炊けるといった感じでしょうか。
種は出来上がって1か月ぐらい冷蔵庫で保存しても、十分に食パンなどが焼けます。菓子パンなどはそれ以上冷蔵保存しても美味しいパンが焼けます。結構長い間もちますので、作られる種の量の参考にしてください。
[生種を起こす]
販売されているホシノ酵母は、乾燥した冬眠状態で売られています。水を与えて活性化します。出来上がったものを生種と言います
今回は標準的な量で説明させていただきますが、量に関係なく、
酵母1:水1,5の割合で計算して作ってください。
例えば酵母600g:水900g。
①ガラス瓶にホシノ丹沢酵母100gを入れます。
②常温の水を150gはかり、①のガラス瓶に入れます。
③清潔なスプーンでよく混ぜます。
↓上から見るとこんな感じです。おから状です。
↓ガラスの密封容器で種を起こす場合は、蓋はしっかり閉めずに金具をひっかける程度にしておきます。ふんわりとサランラップをかけておくと表面の乾燥予防になります。ジャムなどの空き瓶を使う場合は、蓋を最後までしっかりと閉めない状態にします。サランラップは不要です。
③環境温度20℃で約6日(多少変動します)ほど放置します。途中ふたを開けてかき混ぜる必要はありませんが、温度管理には気をつけてください。
ホシノ酵母の袋の裏には30℃で3日間で種起こしをする方法が書かれています。もちろんこの方法で作った生種でもパンは焼けますが、さらに美味しい味のパンを作る条件として20℃で約6日の設定で生種を作ることをお願いしております。
でも“20℃設定ってどうするの?”
↓“保冷温庫”を利用すると便利です。
ここからが皆さんが戸惑う温度設定の問題になります。
30℃設定にしても20℃設定にしても、1年を通してこの温度管理は大変だと思います。夏は温度を下げるために発砲スチロールに氷を入れて温度を下げたり、冬は温度を上げるために電気毛布でくるんだりと苦労をして発酵をさせた時期もありましたが、保冷と保温の切り替え可能な保冷温庫があれば大丈夫です。1年を通して一定の希望温度に設定できます。ただ外気温にも影響を受けますので必ず温度計を庫内に入れて温度を確認の上ご利用ください。
種起こしはもちろん、生地の発酵にも使います。1台あると温度管理に挫折することもなくパン作りが楽しめると思います。苦手な分野は機械を入れて楽しちゃいましょう。長続きさせるコツです。
※保冷温庫は通販でお求めできます。約1万円です。本来は飲み物を冷やしたり温めたりでき、車などにも持ち込める25Lのポータブル保冷温庫です。余談ですが、ヨーグルトや甘酒を作るのにも1台あると便利です。
※使用している保冷温庫は5~60℃設定です。保冷温庫の中には5~10℃、30~60℃など、20℃設定が出来ないものもありますのでよくご確認の上ご購入下さい。
以上が“生種の起こし方①”です。かなり詳しくうるさいことも書きましたがとても大事なことばかりです。美味しいパンを焼くため、しばしおつきあいください…続きは次回生種の起こし方②で。